クシュティ―とはインドレスリングであり、「ペールワニ」とも言われています。クシュティーは国技ともいわれており、その歴史も古く紀元前5世紀には成立していました。
また、クシュティーの使い手であるアクラム・ペールワンがアントニオ猪木と真剣勝負で死闘を繰り広げたのはあまりにも有名な話です。
この記事ではクシュティーの特徴や、アントニオ猪木とアクラム・ペールワンとの真剣勝負について解説していきます。
クシュティ―とは
崇高な質実剛健な武術。
クシュティーはアカーラと呼ばれる練習場で練習します。
そこでレスラーたちは人生を修行と試合に捧げます。非常に精神性が重要視される武術ですが、練習方法はとても現代的で、早朝の走り込みや柔軟、ウェイトトレーニングをレスラー達は欠かしません。有名なヒンズースクワットも元々はクシュティーの鍛錬方法でした。
試合はと言うと、選手はトランクスを履いて、ふかふかにした地面の上で組み合います。その姿はレスリングというよりも相撲に近いです。組み合った選手は相手を投げ飛ばし、フォールをした方が勝ちというルールです。
クシュティ―の特徴について
一番の特徴はクシュティー修行者は厳しい食事制限に耐えなければならないこと。
クシュティーにおいて万物は3つの領域に分かれると考えられています。
「サットゥバ(平穏)」「ラジャス(激情)」「タマス(無気力)」です。
クシュティーレスラーは「サットゥバ」を多くとるべきと考えられており、アーモンド、牛乳、りんご、すいか、レモンなどがそれにあたります。
ちなみに辛い食事やアルコール、たばこは厳禁だそうです。
アントニオ猪木との死闘
アントニオ猪木が勝利しますが、アクラム・ペールワンは強敵でした。
モハメド・アリと試合したアントニオ猪木に、パキスタンのレスラーアクラム・ペールワンが挑戦状をたたきつけ、二人は1976年に勝負することになりました。
これは当初、筋書きのあるショーであることで両陣営は了承していたのですが、試合の直前にアントニオ猪木陣営は『筋書きはない真剣勝負である』とアクラム・ペールワン陣営から突き付けられました。
試合は1ラウンド3分の5ラウンド制で行われました。
試合は開始から異様な雰囲気で、打撃や派手な投げ技は殆どなく、両者が得意なグラップリングでの試合となりました。
2ラウンド目、アクラム・ペールワンは猪木の腕に歯形が付く程かみつくのですが、それに怒った猪木はアクラム・ペールワンの目の中に指を突っ込みます。(諸説あり)
なんて血なまぐさいんだ・・・
3ラウンド目、猪木は関節技をアクラム・ペールワンに食らわしますが、ギブアップせずに彼の腕は脱臼し、ドクターストップにより猪木の勝利となりました。
猪木は試合後、アクラム・ペールワンは強かったと話しており、日本史上最強のレスラーがその強さを認めたことからクシュティーの強さも推して図れることでしょう。
まとめ
この記事ではクシュティーの特徴やアントニオ猪木との因縁を紹介してきました。
以下まとめです。
・クシュティーは質実剛健の武術
・クシュティーの練習法は近代的である
・クシュティーの食事制限は厳しい
・クシュティーのレスラーであったアクラム・ペールワンは猪木と死闘を繰り広げる。
・アントニオ猪木はアクラム・ペールワンの強さを認めた
クシュティーについて、避けては通れないのがアントニオ猪木VSアクラム・ペールワンの一戦でしょう。指を目の中に入れる猪木もやばいですし、かみついたり、ギブアップしないアクラム・ペールワンの気合も異常です。
このことから、いかにクシュティーレスラーの精神と肉体が強靭かお分かりいただけることでしょう。