サバットはフランスで生まれた手と足を使って攻撃を行う、打撃格闘技です。
フランスでは、一時大人気になったこともあり、フランスの方にとっては思い入れの強い格闘技のようです。
日本でも、週刊少年ジャンプに連載されていた『めだかボックス』の主人公が使う格闘技として周知されました。
この記事ではそんなサバットの歴史、特徴、キックボクシングとの違いについて解説していきます。
・歴史
16世紀のフランス、南西ヨーロッパで生まれたといわれています。
もともとはストリートファイトの際に不良が使っていた技術をミッシェル・カスーが『サバット』として体系化し、1870年までにはジョセフ・シャルマンが指導法、練習でのブローブ着用を広め、ランキングシステムを導入しました。
紳士の護身術としてフランスでは大人気となり、イギリスで大人気だったボクシングとの対抗戦が組まれるほどでした。
現代はボックス・フランセーズと呼ばれる徒手格闘のみに絞ったルールが主流ですが、カンヌ・ド・コンバットと呼ばれる武器術を用いたもの、リュット・パリジェンヌと呼ばれる投げ技中心のルールなどあります。
このように多様なルールが生まれた背景は元々路上格闘技として生まれた側面を持っているので、黎明期のサバットは、頭、肩、鞭、棒、投げ技、果ては火器類まで使ったなんでもありの格闘技であったことに由来しています。
スポーツ化されてボックス・フランセーズとなり、その他の部分が他のルールに継承されていったと考えてよいでしょう。
・特徴
一番の特徴は靴を履いて戦うことです。
路上格闘技として誕生したので、靴を履いたまま戦うことが特徴的です。
またかつては紳士の持ち物であったステッキを取り入れた戦闘法も考案されていました。また、グローブの掌底に綿が入っているのも特徴的です。この部分をディフェンスに用います。
・キックボクシングとの違い
キック、ムエタイと似ていますが相違点はかなりあります。
まず、肘、膝での攻撃、ナックル以外での打撃が禁止されている点が違いです。
一番の相違点は靴以外の箇所での蹴りが禁止されていること、そして蹴りを脛でガードすると減点されることです。
なぜ、このような違いが生まれたのかというと、もともとのサバットは前述のとおり路上格闘技であり、靴を履いた状態で戦うことを前提に作られました。
18世紀のフランスでは靴にナイフを仕込む人がおおかったことなどから、脛でのガードは危険であり減点されるようになったし、逆に靴を武器として用いることが主流となりました。
このような経緯から、つま先を用いた蹴り技がサバットには多く、また、つま先まで使う為リーチが遠いのも他の立ち技との明確な違いです。
まとめ
この記事ではサバットについて解説してきました。以下まとめです。
・サバットは16世紀に路上格闘技を体系化して作られた
・サバットは元々総合格闘技だった
・サバットはスポーツ化される過程でボックス・フランセーズが主流となった
・サバットは靴を履いて戦う
・サバットは靴以外の部分で蹴るのは禁止
かなり実用的な格闘技ですので、護身術として習われるのもいいかもしれません。