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【修羅の門第弐門】ネタバレ感想とあらすじ!最強陸奥圓明流と強敵たち

 

 

 修羅の門は大人気漫画家川原正敏が月間少年マガジンにおいて、1987~1996年まで連載し、休止を経て2010年に第弐門を連載再開し、2015年まで連載されていた格闘技漫画である。

 休載をはさみ28年間という長期間続いた漫画は今尚大人気で、数々のスピンオフ作品も生まれ愛され続けている漫画だ。

 また、格闘漫画のパイオニア的な存在でもあり、この漫画の成功を受けて様々な格闘漫画が生まれた。

 この記事では2010年~2015年まで連載された第弐門についてネタバレ&感想&考察をしていく。

 

陸奥九十九復活(第1巻~第3巻)

 

 ケンシン・マエダの元に九十九が向かってから早3年が経過していた。

 未だに音信不通の九十九の身を案じ続けていた神武館の面々と龍造寺舞子。巷では格闘技団体『兵』が人気を博しており、兵の舞台になぜか圓明流の覆面格闘家唵が現れる。

 唵がプロレスラー宮本との試合会場に唵ではなく九十九が現れる。

 九十九は謎の男山田の暗躍により表舞台に再び戻されたのだった。九十九は一部記憶喪失になっており、そのせいか精彩を欠く試合運びであったが宮本を撃破。

 更に唵と試合することになるのだが、唵は第一門において、再序盤で九十九が倒した空手家毅波秀明だった。彼は山田が不破圓明流の使い手であることを見抜き、彼に師事して圓明流を取得していたのだった。死闘の末、九十九は毅波を倒し、九十九健在を世間に知らしめる。

 

 

感想

 14年の歳月を経て連載再開された第弐門。まず思ったことは、前作も相当見やすかったが、今作になるとめちゃくちゃ読みやすいし、テンポも良い。

 あの最強の九十九がなぜ弱体化しているのか!?これからどうなるのか!?そして不破圓明流の使い手である山田の正体は!?と謎が謎を呼ぶ展開で先が気になる。 

 また、第弐門の最初の敵が第一門最初の敵なところも憎いね!

 

呂家(4巻~7巻)

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 兵において皇帝と呼ばれていた無敗の男ミカエル・ビーゴルストが謎の巨漢戦士呂奉先(ルゥ・フォン・シェン)によって敗れる。

 呂奉先は古代中国の時代から暗殺を生業としてきた一族呂家の一人であった。一族内では実力に応じて歴史上の人物から異名を名乗ることになっており、呂奉先は中国最強の将軍呂布の名を冠した男だった。

 呂奉先と戦うことになる九十九だったが、呂奉先の中国拳法発勁の前に苦戦するも死闘の末呂奉先を下す。

 試合中、ワザと危険な状況に自分を置こうとする九十九に仲間達は一抹の不安を覚えるのだった。

 呂奉先を倒したことで『兵』最強になった九十九を呂家の呂子明が強襲する。

 呂子明の目的は暗殺稼業の市場を日本にまで伸ばすことであり、その足掛かりとして陸奥圓明流を倒し実力を誇示したいという思惑があった。

 呂子明と九十九の戦いに山田も参戦し、更に呂家の仮面を被った暗殺者蘭陵王も乱入。2対2の戦いとなる。

 九十九は暗器使いの呂子明を倒し、山田は蘭陵王と死闘を繰り広げるも、戦いの最中、蘭陵王は呂子明を発勁で殺害。

 仮面を取った蘭陵王は女性と見間違えるほどの美男子であり、彼は呂家のトップに立つ野望があり、九十九に宣戦布告する。

 

感想

 台湾版不破圓明流の使い手が現れる!!!相手にとって不足なし!!!

 中国史好きとしては三国志ネタが多用されるのは嬉しい限り。ここで特筆すべきなのは作中初の2対2の乱戦が繰り広げられたことだろう。(1対複数ならあったが)

 山田さん強いやんけ!!!と驚くも、ここでまさかの蘭陵王の裏切りと、見た目に反しての野心家っぷりがキャラ立ってて面白い。

 

THE APEX(第7巻~第16巻)

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 『兵』とアメリカの総合格闘技団体『TSF』との合同トーナメント『THE APEX』が開催される。兵の出場者は陸奥九十九、陣雷浩一、飛田高明と第一門に登場した強者に加えて、蘭陵王改め姜子牙が出場することになる。

 姜子牙とは呂家創始者の名前であり、日本では封神演義の太公望として知られる人物だ。そしてその名前は呂家最強を意味していた。

 そしてTSFはヘビー級王者ヴォーダン・ファン・デル・ボルトを始めとする強豪が参戦した。

 陣雷浩一、飛田高明の死闘も描かれつつ、九十九はアメリカ最強の男ボルトを下し、遂に決勝戦で姜子牙と対戦する。

 戦いの最中、修羅王として覚醒していく九十九に恐怖しつつも、神の子を自負する姜子牙も限界を超えて戦いを続ける。

 その最中、九十九は失っていた記憶、ケンシン・マエダとの戦いを思い出す。

 九十九はケンシン・マエダとの死闘の最中奥義四門・白虎を使い勝利していた記憶を完全に思い出し、九十九は完全復活を遂げる。

 姜子牙は暗器も使用し、文字通り全力で戦うも、九十九は奥義四門・青龍を用いて姜子牙を打ち倒すのだった。

 

感想

 遂に明かされたケンシン・マエダとの戦いの秘密。そして、四門の全ての業も明らかになった!!!

 まさに14年越しに秘密が奥義が全て明らかになったのである。

姜子牙はカワイイ顔してて暗殺拳法の使い手らしく、いちいち技がえぐいし、意外と俗っぽいキャラで結構好きだったな。そんな姜子牙が死力を尽くしても陸奥は破られなかったというカタルシス。

 

空王VS修羅王(第17巻~第18巻)

 

 九十九は神武館の海堂と3年前に約束した再試合に向けて山田と共に練習を始める。

 山田の本名は不破現(うつつ)、その浮世離れした性格から暗殺拳の不破と名乗ることはないが、その身体能力は100年に一度と呼ばれるほどであった。そんな彼は九十九の実母陸奥静の夫であり、九十九の実父であることが判明する。その事実を九十九に告げることはなく、九十九とスパーリングを続けるのだった。

 スパーリングの最中、九十九にこけおどしの業、『ひっかけ蹴り』を教える山田。それは拳に対してカウンターを出すと見せかけておいて、足で頭をひっかける、動きに無駄がありすぎて力は出ないが相手を驚かせることは出来る曲芸。山田らしい技であった。

 そんな二人の元に海堂が現れる。海堂は九十九との再試合を賭けて片山右京に勝利しており、その強さは3年前とは別格だった。

 海堂は龍造寺徹心が理想とした空手、全てを受け流し強力なカウンターを叩きこむ『空』を会得しており、空手の王、空王となっていた。

 海堂に自分以上の実力を感じた九十九は最強の奥義四門を仕掛けるも、海堂には一歩及ばない。両者の拳が交差した瞬間、倒れたのは海堂だった。

 九十九が最後の最後に放った技、『ひっかけ蹴り』により、海堂を倒したのである。

 

 

感想

 遂に、最後の戦い、海堂戦が描かれる。再戦を約束して3年。現実の世界では30年近く経っての再戦となった。

 それにしても、海堂めちゃくちゃ強くなっている。異常なくらい強い。九十九の言葉を借りるならば、作中最強は海堂なんじゃないか?と思うほど強い。四門を使っても倒せないとかマジかよ。

 そして、遂に明かされた山田の正体が九十九の父親だったとは・・・最後の決まり手が争いが嫌いな山田が作った曲芸技だったのも泣ける名場面だ。

 

全体を通しての感想

 

・これにて九十九の物語は一応終わり

 

 でも個人的には第参門も見たいな!!!例えば、九十九と舞子の最強DNAを掛け合わせた最強の息子が最強の親父『九十九』に挑む話とかさ!!!これじゃ刃牙か

 

・総合格闘技について

 

 第弐門はほとんど総合格闘技のリングの上で試合しているのだが、ここまで総合格闘技が何でもありの格闘技として成長したのならば当然の帰結かなとも思う。

 総合格闘技のリングに殴り込みをかける台湾暗殺拳法一族という外連味たっぷりのお話を楽しませてもらいました。

 

・海堂強すぎ

 

 陸奥圓明流の奥義の中でも最強の奥義四門すら効かないって強すぎるだろ。

 それほどまでに龍造寺徹心が追い求めた空手は完璧なものだったのかと驚く。とはいえ、30年越しに決着をつけてくれて大満足のラストバトルだった。

 

まとめ

 修羅の刻昭和編での現、ケンシン・マエダを読んでから第弐門を読むとまた味わいが違う。本当に九十九と言う存在はある種の運命によって形作られたのだなと感慨深い。

 これにて九十九のお話は一応終わりだが、スピンオフで様々な男達が圓明流を使っている。そちらも是非チェックして欲しい。