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【中国武術(功夫)ってどんな格闘技?】中国武術の歴史、北派、南派についてを徹底解説  

 中国4000年の歴史、それは闘争の歴史でもあります。

 中国において、膨大な歴史の中で何百もの武術が産まれました。それらを総評して『中国武術(功夫)』と呼ばれています。数が多すぎていまいち何が何やら分からない。少林拳ってよく聞くけどなんなんだろう?

 この記事ではそんな中国武術の歴史、流派について徹底解説していきます。

 

中国武術とは

 

多種多様な武術の総称であり、多くは少林寺発祥と言われています。

 

6世紀にインドの達磨大師が中国の少林寺に居を構え、そこでヨガを教え始めたのが少林寺の起源であると考えられています。少林寺から中国全土に武術が伝えられ、様々な武術が誕生しました。

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※達磨はカラリッパヤットゥの使い手と言われています。

 

中国武術の歴史について

 

中国武術に関する最初の記載は紀元前2698年までさかのぼります。

 

 中国における武術の最古の歴史は紀元前2698年に、伝説上の王、黄帝が兵士に角力を訓練させたことと言われています。

 更に紀元前5世紀には孔子は武術に関して記述を残しており、紀元前4世紀の道教書でも武術に関する記述が認められています。

 このように、長い歴史をもつ中国武術ですが、6世紀に達磨が少林寺にて武術を教え始めたことにより、ブレイクスルーが起きます。

 少林寺で生まれた少林拳は中国全土に広く伝わり、その地域で独自進化を遂げました。また、少林寺由来ではなく、その土地特有の土着武術も産まれ、数百もの武術が中国全土で生まれました。

 

 1940年代には文化大革命が起き、伝統的な武術の普及が禁止されましたが、多くの武術家は国外に身を隠したり、密かに武術を継承し中国拳法を守り続け、現在でも無形文化財として中国文化を語る上で欠かせない要素のひとつです。

 

中国武術の分類について

 

中国武術は大別すると北派、南派に分けられます。

 

 中国武術はその膨大な流派の数、そして多様な性質からなかなか大別するのは難しいですが、大まかに分けて北派、南派に分けられます。

 一般的に、長江よりも北が北派、長江よりも南が南派と言われています。その違いについては4文字で南拳北腿と言われています。文字通り、南は拳を重視し、北は蹴りを重視することからこのように名付けられました。

 なぜこのような違いが産まれたかと言うと、中国北部は平野が多いため、跳躍や蹴りと言った広い場所で戦うことが前提として生まれており、南は川や海の往来が多かったことから船の上など狭い場所で戦うことを前提としていた為、その場から動かず力強い手わざが中心となりました。

 

 また、北派、南派だけでなく、外家拳、内家拳の二種類で分けられることも多いです。

 外家拳はゴリゴリマッチョになって肉体強化に特化して強くなることを目指しますが、内家拳は呼吸法などにより内部強化に特化することで強くなることを目指します。

 

 中国武術の図式は以下のようにまとめられることが出来ます。

北派、南派の流派について

 

では北派、南派にはそれぞれどのような流派があるのか見てみましょう。

 

北派

(外家拳)

・少林拳

 KING OF 北派。少林拳は武術の坩堝であり、多種多様な要素を含んでいる。少林拳を修行する僧たちを少林僧と呼び、彼らは仏教を信仰しながら日々訓練に励んでいる。

 

・八極拳

北派最強の攻撃力を誇る武術。一撃必殺の打撃により相手を瞬殺することを目的とした非情な拳法であり、毛沢東、蒋介石、孫文は八極拳の使い手をボディガードとして雇っていた。

 

 

(内家拳)

・太極拳

 道教思想を取り入れた格闘技、そして健康法。突きや蹴りではなく、華麗で優雅な技で相手のバランスを崩す。

 

・八卦掌

 占い、哲学で使われる八卦の8つの形を描くように手を動かしながら円周上を回るように歩く動きが特徴的。最も有名な内家拳のひとつ。

 

・形意拳

 直線的な動きが特徴的。攻撃の際に防御を必要としない、最速最短で相手を一撃で倒すことを信条とした流派。

 

 

南派

・洪家拳

 南派の代表的な流派。外家拳である。攻撃と防御を同時に行い、連続攻撃に転じることが特徴的。例えば、相手の打撃をガードしたと同時に相手の急所に相手が防御出来ない程の威力で拳足を打ち込み、相手がひるんだら戦意喪失するまで殴り続ける。

 外家拳らしく、きわめて特訓が激しいのも特徴。

 

・詠春拳

 ブルースリーが習得していたことで有名。開祖は『厳詠春』という女性。

 相手の防御の間隙を縫って電光石火の打撃を最小の動きで行うことが特徴的。柔軟性が重要であり、相手に動きを読ませずに打撃を打ち込み続ける。

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※喧嘩稼業の櫻井は詠春拳系の技も使用していました。

 

・白鶴拳

 喉への手刀、こめかみなどの急所への攻撃が多数ある。人を殺傷する技に対する責任を自覚させるため、きびしい道徳を課している点も特徴的。

 

まとめ

 

 この記事では中国武術の歴史、流派について解説してきました。以下まとめです。

・中国武術の歴史は4000年以上ある

・中国武術の総本山は少林拳と言っても過言ではない

・中国武術は長江を境に北派、南派に分かれる。

・北派は足技、南派は拳技が得意

・肉体鍛錬に特化した外家拳と、肉体内部の鍛錬に特化した内家拳に分けられる。

 

 中国武術の奥が深すぎて、この記事だけではとても全てを網羅することは出来ません。

 中国武術はその美しさから、映画や漫画にも広く描かれており、アクションシーンを見る際はそこに注目してみるのも良いかもしれませんね。

 

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