日本の国技相撲。100キロをゆうに越す巨体が土俵の中でぶつかり合う、世界屈指のハードな格闘技です。ぶつかり合う衝撃は2tもあり、ほぼ交通事故と同じなんだとか・・・
相撲は格闘技最強説も根強く、力士の身体的な強さは他の格闘家達と比べても優れているように思えます。
この記事では相撲の歴史や強さ、そして過去最強力士について徹底解説していきます。
相撲とは
相撲は元々神事です。
相撲は日本の国技であると同時に神事でもあります。
相撲は日本古代に誕生し、古くは神話の時代からその姿を確認することが出来ます。
その性格は神のお告げや政治、豊作を占うものだったのですが、それが大衆化していき、現在の相撲となりました。相撲最高位の力士『横綱』は神の依り代であると考えられており、それだけ神聖な存在であることが伺い知れます。
相撲は土俵と呼ばれる円形の中で戦います。
相撲の試合の流れは、
・塵手水
・仕切り
・立合い
の3工程です。
塵手水は、蹲踞の姿勢で土俵にて力士同士が向かい合い、手を叩いた後に両手を広げて、掌を返す動作。これは『武器は持っておらず、正々堂々と戦う』ことを意味します。
仕切りは、仕切り線にて拳をついて準備をする過程の動作を言います。
立合いは、ぶつかり合うことなのですが、その際とても特徴的なのが、相撲は試合開始の掛け声がなく、仕切りを繰り返しながら、お互いの気力が十分高まった瞬間に暗黙の了解のもと開始します。
その為、お互いのタイミングが合わない場合、立会いはやり直す場合もあります。
そして勝敗は足の裏以外の箇所が地面についた時点で負けとなります。
また、相撲の大きな特徴のひとつは、体重制限がない無差別級であるということです。
その為、200キロを超す巨漢力士達も何人も見ることが出来ます。
相撲の歴史について
相撲は紀元前23年に始まったと言われています。
古くは日本神話において、神々である建御雷神と建御名方神が戦い、これが相撲の起源であると考えられています。人間同士の対決は紀元前23年に行われたのが始まりです。
第11代天皇垂仁天皇の時代(紀元前23年)に、野見宿禰という腕力の優れた人物と当麻蹴速という人物の戦いが最初にとられた立会いであると考えられています。
ちなみに古代の相撲は現代の総合格闘技や、ブラジルのバーリトゥドのようななんでもありで、この二人の試合も蹴りの応酬であったと記載されています。立ち合いは野見宿禰が蹴りで当麻蹴速の骨を粉砕し、絶命させて勝利したそうです。
その後、脈々と相撲は受け継がれていき、現在の姿になっていきました。
相撲の強さについて
強いですが、最強というわけではないと考察できます。
長い間、相撲こそ最強の格闘技であり、力士こそ最強の格闘家であるという説がありましたが、力士の中で、キックボクシングや総合格闘技に転向する方々が2000年代初めから現れ始めました。
期待値が高かった彼らですが、他の分野の格闘技で大成した方は残念ながらいませんでした。それもそのはず、相撲は短ければ数秒で決着がつく競技であり、尚且つ蹴り技も寝技もありません。ラウンド制になれた、蹴りや、寝技に特化した選手相手には勝つことは困難でした。
しかし、現在(2022年)では元力士のスダリオ剛選手が日本人や外国人のヘビー級の総合格闘家をKOし続けており、今後彼の活躍が注目されています。
過去最強の力士は
相撲史上最強の力士は雷電爲右エ門であると言われています。
雷電は江戸時代の力士で勝率がなんと9割超えの力士でした。身長2メートル、体重150キロをゆうに超える力士で、男性の平均身長が160センチ弱であった当時にして破格の大男でありました。
彼はそのあまりの強さから「鉄砲(突っ張り)」「張り手」「閂」「鯖折り」を禁じ手としていたと言われています。
人物としては高い教養をもっており、彼が残した日記は当時の風俗を知る貴重な資料になっています。また、かなりの酒豪であったようで、日本酒を36リットル飲んでも酩酊しなかったと言い伝えられています。
彼の最高位は大関。横綱のひとつしたの位です。なぜ雷電が横綱になれなかったかには諸説あり、藩との確執や、当時の横綱は名誉職であり、わざわざ雷電に与えなくてもよいのではないかと言われていた、または本人が横綱になることを望まなかったなど言われています。
まとめ
この記事では相撲の歴史、強さ、過去最強の雷電について解説してきました。
以下、まとめです。
・相撲は国技であると同時に神事
・横綱は神の依り代
・相撲には開始の合図がない
・相撲の歴史は紀元前までさかのぼる
・力士で総合格闘技に転向した人もいたが、大成した人はまれである。
・史上最強の力士は雷電爲右エ門である。
相撲は世界に誇る日本の国技であり、その長い歴史や横綱の在り方を知った上で、テレビの中継を見るとまた違った見方が出来るかもしれませんね。
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